つやコラム
令和3年度年度始めの市長訓示(令和3年4月1日)=4月2日掲載=

 このたび、市長選挙におきまして、無投票により再選を果たし、4期目の市政運営の重責を担わせていただくことになりました。市民の皆様の負託に応えるため、全身全霊で、コロナ禍を乗り越えて、新たな北秋田市をめざして「前へ!」進んでまいります。

 引き続き、職員の皆さんと一緒に仕事をしてまいりますが、初心忘れることなく思いを新たに行政課題に取り組む所存でありますので、よろしくお願いします。

 4期目のスタートを切るに当たり、さきほど定期人事異動に伴う辞令交付を行いましたが、部長級に初めての女性職員を起用するなど、女性の積極的な登用を図ったほか、「デジタル化推進係」を創設し、電子自治体の構築を目的としてデジタル改革を推進することとしています。また、予断を許さないコロナ禍の地域経済を下支えするため、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策室」を存続させました。

 本日集まっていただいた幹部職員の皆さんには、部署内で強いリーダーシップを発揮することを期待するとともに、部下職員にとって、自由に生き生きと意見や考えが言える風通しのいい環境づくりに努めてください。

 また、本日から北秋田市職員となった新規採用13名の皆さんを心から歓迎します。今日の日の緊張と高い志を忘れることなく、‘自分らしさ’と‘チームワーク’を大切にして職務に精励され、一日も早く市民の皆様から信頼される職員となられるよう大いに期待しています。

 さて、今年は未曽有の広域災害となった東日本大震災から10年という節目を迎えています。この10年を俯瞰すれば、当市においては、日沿道の目覚ましい延伸や、285号滝ノ沢バイパスの開通、市民の命と健康を守る北秋田市民病院の開院などインフラ整備が順調に進み、日常生活の基盤は便利で豊かになりました。  

他方で、少子高齢化と人口減少、地方経済の縮小、危機管理体制の更なる強化などへの対応は道半ばであり、そこに、コロナ禍という新たな試練も加わり、市政運営はかつてないほど難しい舵取りが求められています。

私は、市政運営3期12年の取り組みの効果検証を踏まえつつ、4期目の政策として、次の9つの項目を掲げました。

  1. コロナ禍に負けずいつまでも住み続けたい北秋田市をめざします

  2. 産業振興による仕事づくり・稼ぐ地域づくり

  3. 新たな人の流れをつくる移住・定住策の強化

  4. 少子化対策・子育て支援の充実

  5. 安全・安心な地域コミュニティの推進・確立

  6. 災害に強いまちづくり

  7. 高齢者も元気なまちづくり

  8. SDGsに基づく「地方創生」の推進

  9. 行財政改革の推進

の9つであります。

 長引くコロナ禍によって、テレワークの浸透や都市部から地方への移住、二拠点居住への関心の高まりなど働き方や余暇の過ごし方について、人々の意識や価値観に大きな変化が生まれています。 

特に、若者世代における地方移住への関心の高まりは、充実した教育や子育て環境、豊かな自然、安全安心な生活環境、手厚い移住支援策が整っている当市にとって、好機であると考えています。

 そして、コロナ後の社会は、持続可能な社会、経済を目指す以外に選択肢はありません。私は、将来都市像として掲げた「住民が主役のもりのまち」実現に向けて、初年度を迎える第2次北秋田市総合計画後期基本計画に、新たな視点として、SDGs(持続可能な開発目標・Sustainable Development Goals)を取り入れました。

 職員の皆さんには、今こそ行政の真価が問われる時であり、また、これからの北秋田市を左右するターニングポイントに立っているんだと肝に銘じ、「一日一生」の心構えで、9つの項目からなる政策と後期基本計画の各種施策を着実に実行するため、共に知恵を絞り、汗を流していただきたいと思っています。

 また、現下における市民の皆様の最大の関心事は、コロナ終息に向けて大きな前進となる新型コロナワクチンの接種であります。一日も早く安心して暮らすことのできる日常を取り戻すためにも、全庁を挙げて、万全の接種体制を構築したいと考えていますので、よろしくお願いします。

 毎年申し上げていることになりますが、何を差し置いても、ご自身と、支えてくださるご家族の健康に勝るものはありません。

 職員の皆さんには、健康に十分ご留意され、休める時はしっかり休んでリフレッシュすることで、元気に笑顔で仕事に臨んでほしいと思っています。

 結びに、コロナによって、たった一年で世界が激変する様子を、私たちは目の当たりにしています。職員の皆さんには、想定外の危機に対応するしなやかさと強さを身に備え、北秋田市を次の世代へ繋いでいくため、持てる力を存分に発揮されるようお願い申し上げ、年度始めの訓示とします。

 本年度もどうぞよろしくお願いします。

 
北秋田市の未来に向かって(令和3年3月1日掲載)

 間もなく北秋田市長3期目の任期が終わろうとしています。

 これまでの市政運営へのご協力に心から感謝申し上げます。

振り返りますと、1期目は市民病院開業と森吉山阿仁スキー場の存続問題など、合併直後の様々な難題の解      決にどうにか道筋を付けることができました。

2期目にあたっては、「2次総合計画」と重点プロジェクト「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し取り組みをスタートさせました。

保育料の引き下げ中学生までの医療費の無料化の実施「北秋田市民ふれあいプラザコムコム」をオープンし子育て世代支援室「ねまーる広場」を設け、子育て世代の負担軽減を推進いたしました。

トップセールスの展開と雇用や資格取得への助成、奨学金返還支援助成などで企業誘致や既存企業の支援を行い、雇用の確保に成果を上げることができました。

佐竹県知事へのプレゼンをして県と協働の未来づくりプロジェクトが採択され、森吉山阿仁スキー場整備が進み、森吉山を中心に内外からの観光客が増加し国際3大樹氷鑑賞地のブランド化推進と世界文化遺産登録をめざす伊勢堂岱遺跡整備をいたしました。

以上のように、子育て支援・雇用拡大・観光振興など、北秋田市の未来への投資と基盤づくりを進めました。

3期目には「人口減少時代への挑戦」を重要テーマに掲げ、次の7つの重点施策の実現に邁進して来ました。

1.産業振興による働く場の確保は、園芸メガ団地、新規就農者確保支援。森林環境譲与税活用で国立市との交流や新たな企業誘致(エレックス極東再生可能エネルギーセンター・北秋田ソリューションセンター)と工場の増築(新東北メタル)や新築(クラウン精密)支援で、産業振興と雇用拡大を実現。

国際樹氷サミット、阿仁合駅リニューアルとウエルカムステーションオープンで観光振興と交流人口の増加に取り組みました。

2.移住・定住対策では、ふるさと大使事業、移住定住支援室開設で平成29年度から令和2年度1月末までに145世帯196人の移住が実現いたしました。

3.少子化・子育て支援では、1子誕生ハッピーアニバーサリー事業、子育て世代包括支援センター(ココロン)開設、高校生の医療費軽減を実現しました。

4.新たな地域社会の形成は、循環バスの本格運行実施や鷹ノ巣駅待合室開放時間延長の実現。大館能代空港IC〜鷹巣IC開通と蟹沢IC〜大館能代空港IC開通による高速交通体系の整備が加速しました。

5.医療と福祉の充実については、阿仁診療所改築と市内3地区への地域包括支援センターを配置いたしました。

6.市民ファーストとして、安全で利用しやすい庁舎駐車スペース確保と、見やすく分かりやすい案内表示や庁舎敷地内完全禁煙などを実施いたしました。

7.安全安心対策では、無線と防災ラジオの整備、コンビニ収納、公共施設のトイレバリアフリー化などを実施したほか、クリーンリサイクルセンター整備、新鷹巣浄水場やし尿処理場整備により、快適な日常生活を支えるインフラ整備の実現を果たしました。

このように、4年前に掲げた重点施策7項目をはじめ、各施策事業が軌道に乗った確かな手ごたえを感じておりましたし、3期目任期の最終年度であるこの1年は、各事業の検証と総仕上げをスピードアップすると、年度当初の訓示で決意表明をいたしました。

しかしながら、昨年1月に国内初の感染者が発生して以来、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、地域経済や医療体制に深刻な影響を与え、緊急事態宣言の下で休校はじめ多くの施策が中止や縮小を余儀なくされ、地域行事や文化活動の中止、飲食店はじめサービス業、製造業、観光に至るあらゆる産業が停滞し市民生活も一変してしまいました。

このような誰もが経験したことない非常事態の中で、市民の命と生活を守り、北秋田市の経済を止めるなという強い思いで、コロナ対策緊急経済対策室を立ち上げ、様々な施策を矢継ぎ早に講じてきました。2回にわたるスーパープレミアム応援チケットや、県内でもいち早く行った学生生活支援など、それなりの成果を上げたと考えます。

北秋田保健所管内初の感染者も2名出ましたが、拡大せずに済んだのは、市民の皆さんのコロナ感染予防への意識の高さと、医療従事者はじめ関係者のご尽力の賜物であり心から敬意と感謝を表します。

今年1月に10都府県に発令された第2回目の緊急事態宣言は、首都圏4都県は37日まで継続とし、関西・東海と福岡の6府県は2月末で解除になりましたが、気持ちが緩むとまた感染拡大に繋がり、特に医療資源の乏しい北秋田市では感染者を出さないよう、これまで以上に感染予防対策に努力いたしますし、どうぞこれからも市民の皆様のご協力を心からお願い申し上げます。

これまで経験したこともないコロナ禍にあって、市民誰もが健康で生活や仕事を続けることができ、いつまでも安心して住み続けられる北秋田市づくりをめざし、「コロナ禍を乗り越え 新たな北秋田市をめざして」皆さんと「前へ!」を合言葉に力強く進んでまいります。

日本でも医療従事者へのワクチン接種がようやく始まったところで、北秋田市でも医師会など関係者のご協力により、今後の接種体制やスケジュールが協議されています。しかしながら、国からの明確な情報が示されない中で、対象となる全ての市民の接種完了までには、しばらく時間がかかることと思われますが、新型コロナウイルスワクチン接種体制と医療体制確保を最重点課題に、市民の皆様の命を守るためにしっかりと取り組んでいく覚悟です。

また、コロナ禍で困窮されている市民の皆さんや市業者の皆さんへの、生活支援や事業継続支援の取り組みを強く進めてまいります。

コロナ禍においては、テレワークやワーケーションはじめ市役所でも押印廃止など、働き方や私たちの生活スタイルと社会構造の変化が加速化するとともに、新たな行政課題も現れてきます。北秋田市としてもウイズコロナやアフターコロナの新しい生活様式に柔軟かつ大胆な取り組みを進めていく覚悟です。

この新たな状況下で北秋田市が今後5年間の進むべき施策である2次北秋田市総合計画後期基本計画と第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を市民の皆さんのご理解のもとに、力強く推進するとともに3期目に掲げた「人口減少時代への挑戦」をさらに推し進めてまいります。

そして、北秋田市の誇る文化・歴史・自然・産業・観光・交通インフラ・人材など、北秋田の宝であるあらゆる地域資源を活かして、市民と行政がしっかりと連携と協働し、まちの魅力と活力を高めて地方創生をさらに推進してまいります。

この私の思いを政策2021として9つの政策にまとめ、それぞれに目標を掲げ、HP政策・提言に載せてあります。

 北秋田市の未来に向かって力強く邁進し、これまで誰も経験したことのない新型コロナウイルス感染症を乗り越えた先にある、安心していつまでも住み続けられる北秋田市を皆様と共につくってまいります。